中南米の虐殺

白人のアメリカ到達以降、中南米では白人により数千万人といわれる大虐殺が行なわれた(ヨーロッパ人がもたらした伝染病の天然痘による死者を含む)。

エスパニョーラ島(現在のハイチ・ドミニカ)300万人のほぼ全員が虐殺された。
現在のプエルトリコジャマイカで100万人。キューバ80万人、ニカラグア50〜60万人、メキシコ400万人、ホンジュラス200万人、グァテラマ400〜500万人、ベネズエラ4〜5万人、ペルー400万人の原住民を死滅させた。
少し遅れてブラジルに入植した白人(ポルトガル人)は原住民200万人を虐殺してほぼ死滅させた。

白人は、白人以外は人間として認めていなかった。それゆえこのような大虐殺を行なえたのである。

白人の虐殺は、20世紀半ばの日本に対するアメリカの原爆投下都市無差別空襲ソ連の満洲侵略の暴挙といったホロコーストまでつながっている。

インディオたちが受けた被害は人的犠牲だけではない。大量の金、銀など宝物がヨーロッパに持ち去られた。白人の新大陸征服の目的の一つが黄金の獲得だったからである。1660年までにヨーロッパへ持ち去られた金はわかっているだけで181トンである。インディオたちが長い間かかって勤労して営々と貯めた宝物を、白人は何の努力もせず、所有者を殺害し、奪っていったのである。

また、インディオたちをプランテーションで強制労働させて砂糖の収奪も行なった。
砂糖はヨーロッパにとって中世以来の貴重品だった。砂糖は食品だけでなく医薬品でもあり保存料でもあった。砂糖のために新大陸の海岸地帯は、サトウキビ一色のプランテーションに置き換えられ、インディオに強制労働を強いた。さらにヨーロッパ人が味を占めたコーヒー、ココア、茶もプランテーションとして農地を拡大させた。これらの嗜好品は寒いヨーロッパではまったく産出しないものだった。白人の贅沢を支えるために、「新大陸」の先住民たちの生活は破壊され、残虐な労働を強いられたのである。

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参考文献 歴史年表