終戦後のニューヨーク・タイムズ社説

昭和20年(1945)8月14日(日本は8月15日)の社説。
挿絵があって、クジラよりも大きなサイズの化け物みたいな怪獣がひっくり返っている。それが日本である。大きく開いた口の中に鉄兜をかぶったアメリカの兵隊が2、3人入っていて、その怪獣の牙をハサミで抜いている。その解説にこう書いてあった。
この怪物は倒れはしたが決して命を失ってはおらず、いまだ非常に危険な存在だ。だから、この化け物の牙と骨を徹底的に抜き去り、解体しなければならない。この作業は戦争に勝つよりも難しいかもしれないが、我々はアメリカのために、世界のためにも、永久にでも、この作業を続けなければならない

ちなみにドイツ降伏後のニューヨーク・タイムズの社説は次のようなものだった。
我々は勝利した。ドイツ人は優れた民族であって、ナチスという虚妄の虜になったために戦争を起こし、世界中を荒らしたが、とにもかくにも戦争は終結した。もし、ドイツ人がナチスを排除するならば、我々は本来の友人に戻り、彼らに思い切って再建の手をさしのべ、その復興を援助しよう

つまりドイツという白人国家は、ただナチスという狂気に踊らされただけだが、日本という国家、日本人という民族は白人にとっては理解不能な嫌悪すべきエイリアンということ。そして彼らはそのエイリアンの意識を徹底的に解体しようとした。
それがアメリカの日本占領政策の基本だった。

  アメリカの占領政策


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参考文献 歴史年表