昭和45年(1970)に作家の大江健三郎が「沖縄ノート」という本(岩波新書)を出版した。この中で大江は「終戦間際、沖縄の守備隊長が沖縄県民に集団自決をするよう迫った」と書いたため、平成17年8月、赤松守備隊長やその遺族たちが、「そんな命令は下していない」として大江健三郎と岩波書店を訴えた。 慶良間諸島は貧しい地方で、働き手もいなくなった戦後は大いに困っていた。そこで国から補償をもらうために軍命令があったとしたのである。そうすれば厚生省の補償対象になったからである。島民から依頼をうけた守備隊長は本当は軍命令などなかったのだが、作られた軍命令にサインしたのである。 この件では、裁判の30年前に、作家の曽根綾子氏が「ある神話の背景」という本を書いて集団自決の命令などなかったことを明らかにしている。島の人たちは赤松隊長に感謝しているので何十周忌になっても花を手向けてお祀りしている。2006年あたりから、村の主だった人たちは、「じつは赤松隊長に頼んで軍命令にしてもらったのだ」と証言しはじめている。 しかし、大江や岩波書店はそうした事実を認めようとせず、裁判で以下のような馬鹿らしいことを主張して悪態をついている。
日本占領当時、この話は、アメリカ占領軍が日本をいかに悪い軍隊であったかというデマの流すのには好都合の材料となった。沖縄の新聞社がこれを「鉄の暴風」として宣伝し、朝日新聞社で敗戦後2万部も出版している。沖縄の新聞社には進駐軍から援助が出ていて、英訳の本まで出た。 |
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