お勧めの書籍 国民の歴史 西尾幹二/著 |
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かなりの分厚さで読むのがなかり大変ですが、一冊買っておき徐々にでも読んでおきたい本です。 最初のほうの内容はよっぽど歴史好きの人しか読むのがつらいと思われますので、『14の「世界史」はモンゴル帝国から始まった』から読まれることをお勧めします。 |
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歴史は、こんなに面白くてわかりやすいのか。 多くの日本人が抱く疑問に著者が率直かつ果敢にぶつかっているからだ。 日本人は日本の歴史にもっと関心を持つべきだ。そう考えて、西尾幹二氏が、持てる力の限りを尽くして描き出したのが『国民の歴史』です。 戦後を支配した自虐史観の闇や道徳主義的歴史把握に、著者は敢然と立ち向かいます。常に世界史との関わりの中で日本を位置づけながら、日本文明の独自性を誇り高く叙述する氏の怜悧な分析力と行間からほとばしる情熱に、読者は圧倒されることでしょう。旧来の歴史書をあらゆる意味で凌駕する真の"日本史"がここに誕生したのです。すべての日本国民に"日本人の誇りとは何か"を問いかける奇蹟の一冊。 |
目次 | |
1 一文明圏としての日本列島 「第二の軸の時代」 世界史における古代日本の位置 薄明のなかにみえる確かな意思 「第二の軸の時代」以降の歴史見取図 ヨーロッパ文明と日本文明の異質性 日本文明と中国文明の異質性 ユーラシア大陸と対峙する一文明圏 2 時代区分について 文明圏ごとに異なる歴史意識 ヨーロッパの三区分法 過去の日本人の試みた日本史区分法 日本史にふさわしいのは二区分法 あくまで日本史のリズムを尊重して 3 世界最古の縄文土器文明 日本列島が海上の孤島になる直前 縄文時代にはすでに農耕が始まっていた エジプト文明に並ぶ長期無変動文明 縄文一万年に動かされてきた日本史 4 稲作文化を担ったのは弥生人ではない 稲を運んできた「越人」 文化情報として広がった弥生式土器 稲作の普及は人の移動ではなかった 朝鮮からやってきた知識人 5 日本語確立への苦闘 系統不明の孤立言語のひとつ 原縄文語の探求 中国語の音声を無視し語順を転倒する 訓読みの成功と日本文化の自立 仮名の成り立ちの歴史 「漢意」(からごころ)の光と影 6 神話と歴史 日本古代文学者よ、常識に還れ 歴史と神話の等価値 すべての歴史は神話である 神話と歴史叙述について 日本語の起源問題は今までの言語学では手が届かない 漢字漢文における表現力の限界 ”沈黙する歴史”の文字へのリアクション 日本固有の文明の回復に千年を要した 文字は知性を辱しめる 文字は言語に及ばない、言語は行為に及ばない 神話の認識は科学の認識とは逆である 7 魏志倭人伝は歴史資料に値しない 書いた人と推定資料 中国正史のレベルの低さ 複数の反対証言に耐えないものは史料といえない 大和国の日の御子 不徹底な歴史家の態度 魏志倭人伝は歴史の廃墟である タキトゥス『ゲルマニア』との比較 真の歴史資料とは何か 8 王権の根拠−日本の天皇と中国の皇帝 「天」の概念は遊牧民からきた 日本のカミの概念 天命思想と徳治主義 律令天皇制の根拠 天皇と皇帝を拘束していたものは何か 日本と中国は律令時代から二つの異なる別個の文明 9 漢の時代におこっていた明治維新 古代史における「後追い国家」日本 日本型ムラ社会を知らない中国 人格的共同関係を欠く中国 中国古代専制国家の官僚組織 中国古代帝国の朝政と朝議 元会議礼にみる礼的秩序 中国史に見る政治の宗教化 10 奈良の都は長安に似ていなかった 郊外の野原が境界的な場所だった 都城論のみせる新しい認識 町づくりにおける日中の思想の相違 軍事基盤とは考えられない日本の都 両国の天子の心得の相違 11 平安京の落日と中世ヨーロッパ 明君は偶然の善など期待しない 儒家と法家の相剋する世界 天皇と皇帝を前にした臣下の自称の違い 日唐の政府行政組織の違い 平安時代には死刑がなかった ヨーロッパと日本にみる地方分権化の勢い 院政と武士の台頭 自国文化の不足を永遠にかこつ愚 12 中国から離れるタイミングのよさ−遣唐使廃止 13 縄文火焔土器、運慶、葛飾北斎 仏教彫刻群の展開(カラー口絵参照) 暗く、そして明るい土偶の形象 縄文火焔土器から連想されるもの 踏みつけられる邪鬼 ふん怒像と自然神 クラシシズムからバロックへ 自然が言葉に吹き寄せてくる 運慶と慶派について 近代絵画を切り拓いた北斎 14 「世界史」はモンゴル帝国から始まった 必要な東洋史への巨視的見方 モンゴルと中国の関係略史(1) モンゴルと中国の関係略史(2) 大陸への出兵を計画した徳川家光 日本の東洋史学者たちの中華思想を排す フビライ・ハーンの「世界史」構想力 日本と西洋の同時勃興 15 西欧の野望・地球分割計画 コロンブスの登場以前 大西洋上、史上初の幾何学的領土分割線 ポルトガルとスペインの太平洋争奪戦 キリスト教徒の独善と狂信の時代 16 秀吉はなぜ朝鮮に出兵したのか フィリップ二世に匹敵する世界国家構想 「近代」意識の自己表現 戦術の愚劣と誤算は別の話 秀吉が徳川政権の外交の型を決めた 17 GODを「神」と訳した間違い さまざまな自然神 死者はなぜホトケになるのか ザビエルは日本語に訳すのをやめた 中国語聖書が「神」と訳した 誤解が誤解をうんだ天皇の「人間宣言」 18 鎖国は本当にあったのか "中華の華は日本なり" 出入国厳戒例は”自己集中”の知恵であった 旧アジア経済圏からの独立 「鎖国」という言葉はいつ使われ、いつ有効になったか どちらも間違い! 徳富蘇峰と和辻哲郎 19 優越していた東アジアとアヘン戦争 アジアは西洋より豊かで進んでいた アヘン戦争の顛末 秩序形成のシステムの相違 中世末の絶望が西洋を衝き動かした 暴力の中から誕生した「国際法」の二重性 アジアの例外国であった日本の条件と問題 20 トルデシリャス条約、万国公法、国際連盟、ニュルンベルク裁判 遠い国々への奇怪な幻想 日本では知られていなかった北の十字軍 フーゴ・グロティウス『戦争と平和の法について』の二面性 「万国公民」手習い初めの幕末哀話 最初から破産していた「国際連盟の理念」 理想主義者ウィルソン米大統領の仮面の下にあるもの ニュルンベルク「人類の法廷」の論理矛盾 戦争が簡単にできなくなったことによる新しい野蛮の登場 21 西洋の革命より革命的であった明治維新 市民革命を経験すれば先進国なのか フランス革命は市民革命だったのか 明治維新とフランス革命は根本的に違うのか 日本立ち遅れ史観の自己破産 江戸時代がすでに絶対主義体制 武士階級の自己否定のモラル 22 教育立国の背景 江戸の藩校 江戸の寺小屋 明治維新の特色の発揮 西洋の先を見越した制度改革 古代中国と同じ中世西洋から受け継いだもの 「平等」と「効率」の二律背反 23 朝鮮はなぜ眠りつづけたのか 日本の自助努力 若い国アメリカの気概 英露対立を利用したアメリカと日本 十九世紀中葉の李氏朝鮮 明治初期の日本と朝鮮の関係 ”了解不可能”な世界の政治熱 ついにしびれを切らした日本 イギリスの将棋の駒「日英同盟」 大国の責務 イギリスからアメリカへ 24 アメリカが先に日本を仮想敵国にした(1) 世界政治に露呈したテーマ「人種」 アメリカにおける「移民」の意味 排日移民問題と開戦論 イエローペーパーが標的にした日本人 セオドア・ローズヴェルト大統領の人種差別感情 忘れられている「白船事件」 25 アメリカが先に日本を仮想敵国にした(2) 日露戦争勝利の代償 再びアメリカに「対日開戦論」 有色人種の希望の星 進歩的文化人の原型・新渡戸稲造 アメリカ黒人旅行記のなかの日本人 目をみはらせる三つの新事実 戦勝国の「軍国主義」 26 日本の戦争の孤独さ 侵略国家アメリカ合衆国 ワシントン会議とシベリア出兵 日本攻略の機会を待ち受けていたアメリカ ヘレン・ミアーズ『アメリカの鏡・日本』より 情報戦に立ち遅れた大東亜会議 日本の孤独 便利すぎる歴史観 利口ぶった人間になるな 27 終戦の日 八月十五日の午前中まで敵機来襲 誰にも言えない動物的恐怖 民間にひろがった自己破壊の衝動と未来への距離 「解放」神話のウソ シーンとした国民の心の一瞬 28 日本が敗れたのは「戦争の戦争」である 戦後日本人の生態変化 突然、林のごとく静かになった 都合のいい言葉を全部戦勝国に握られた 「日本国民に罪過の観念を植えつけねばならぬ」 戦後占領政策について 戦後すぐに米英の軍国主義の非を鳴らした石橋湛山 二十世紀の大戦争は西欧の「内戦」であった 平和主義者石橋湛山の軍国日本擁護 「軍国主義を主張するも言論の自由のうち」 29 大正教養主義と戦後進歩主義 ドイツ教養派のギリシャ崇拝とナチズム ヨーロッパ崇拝のあまりに自分を失った知識人の群れ 戦前とそっくり同じ政治的無知を再演した教養派知識人 現実が見えない知識人の政治空論は打ち切るにしくはなし 30 冷戦の推移におどらされた自民党政治 日本の国内にベルリンの壁があった 田中角栄現象とは何であったか 自民党は国際共産主義に守られてきた 立ちすくむ日本 31 現代日本における学問の危機 夏目漱石の西洋体験 ”君たちは何も生み出す力を持っていない” 自然科学の軍門に下って 宇宙という「神」を前に 32 私はいま日韓問題をどう考えているか 韓国人にいくら言っても伝わらないもどかしさ とぐろを巻く歴史的に根の深い民族心理 善政の押しつけ いま求められる日本人の決断 黙認してはいけない度が過ぎた嘘 欧米に学ぶということの本来の意味 33 ホロコーストと戦争犯罪 ナチ犯罪の本質 ホロコーストとジェノサイド 通例の戦争犯罪とは ヤスパースの手のこんだ詭弁 日本に個人補償を求められる理由はない 34 人は自由に耐えられるか 理性への期待と未来への不安 自分を閉ざす「仕切り」を欲する心理 生活の中に増えていく間接経験 明るさのなかのあてどない生のさまよい ハイデッカーの三つの「退屈」 |