産業革命

産業分野における革命。ひとことで言うと、農業(伝統的農業)を基盤とする社会から、工業(近代産業)を基盤とする社会への移行。道具による生産から機械による生産への転換でもあり、動力の転換でもあった。
生産の機械化はまず木綿工業で始まった。

繊維革命
18世紀になりインドの綿布への内外の需要が増大し、これがイギリス国内に木綿工業を発達させ、飛びおさの発明で織布の生産量が倍加した。その後、紡績機、力織機が発明された。

動力革命
以前の機械は水力を使っていたが、蒸気機関の発明により産業革命は本格的な進展を見せるようになった。

交通革命
工業の発展は石炭・原料・製品を大量に輸送する交通機関の発達を促した。蒸気機関車、蒸気船が発明された。

最初に産業革命をなしたイギリスは19世紀に入ると「世界の工場」として繁栄を誇った。イギリスは、オランダ、フランスとの戦争に勝ち、世界の海上権を握り、広大な植民地を独占することになった。このためイギリスは物産資源、産業資本を蓄積することができ、これが産業革命の原動力になったのである。
その後、19世紀中ごろを過ぎると、産業革命は1830年代にフランス、アメリカに、1840年だからドイツに、1860年代からロシアにも達した。

産業革命の進展によってヨーロッパ列強は、原料輸入と商品の市場獲得のため、ますます植民地が必要となった。このため植民地からの収奪は強化され、先住民の伝統的な生産・生活様式は、強制的に転換させられ、悲惨な状態に追いやらされてしまった。各国間での産業競争が激しくなるにつれて、ヨーロッパ外での植民地争奪競争もまた激化した。

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