対日経済制裁検討開始(1938年)

アメリカが対日経済制裁を検討するに至ったのは昭和13年(1938)年末ごろである。
国務省政治問題担当顧問ホーンベックが国務長官のコーデル・ハルに、アメリカ国民は今や思い切った行動を歓迎しているとして日米通商航海条約の破棄通告を提案したのはこの年の12月だった。
当時イギリスからも対日経済制裁が提唱された。たとえば、同年12月31日、クレーギー駐日イギリス大使はグルー駐日アメリカ大使に、日本からの輸入制限と対日クリじっとと借款の停止による対日経済制裁についての覚書を送っている。

グルー自身はこの提案に反対意見を出したが、アメリカ当局は、昭和14年(1939)1月、日本に対して航空機および部品の道義的禁輸(モラル・エンバーゴー)、続いて翌2月にはクレジット禁止という対日経済制裁を実施する。

参考文献:大東亜戦争への道(中村 粲著)


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参考文献 歴史年表