永野修身海軍軍令部総長の発言

9月6日の御前会議で、永野修身海軍軍令部総長が発言を求めて、苦しい胸のうちを切々と語った。

政府側陳述によれば、アメリカの主張に屈服すれば亡国必至であるとのことであったが、戦うもまた亡国であるかも知れない。すなわち戦わざれば亡国必至、戦うもまた亡国を免れぬとすれば、戦わずして亡国にゆだねるは身も心も民族永遠の亡国であるが、戦って護国の精神に徹するならば、たとい戦い勝たずとも祖国護持の精神がのこり、われらの子孫はかならず再起三起するであろう。統帥部としてはもとより先刻申したとおり、あくまで外交交渉によって目的貫遂を望むものであるが、もし不幸にして開戦と決し大命が発せられるようなことになるならば、勇躍戦いに赴き最後の一兵まで戦う覚悟である

この永野総長の発言こそ、当時の日本首脳の心境を如実に物語っているものであった。

  アメリカの反日政策(「東亜新秩序」〜日米開戦)


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参考文献 歴史年表