靖国神社焼却計画

ポツダム宣言にしたがって降伏した「有条件降伏」を「無条件降伏」にすり替えた占領軍は、日本の復讐を恐れ、日本人の激しい敢闘精神・抵抗心を根源から打ち崩そうと、靖国神社をはじめ、明治神宮、伊勢神宮、熱田神社の焼き払いを計画した。靖国神社は焼き払って跡地をドッグレース場にしようと考えた。占領軍は日本の戦争遂行の精神的支柱を神道だと決め付けたのだ。
これに対してはさすがに躊躇があり、マッカーサーは駐日ローマ法王庁・バチカン公使代理のブルーノ・ビッテル神父に意見を求めた。
ビッテル神父は以下のように答えた。

「自然の法に基づいて考えると、いかなる国家も、その国家のために死んだ人びとに対して、敬意をはらう権利と義務があるといえる。それは、戦勝国か、敗戦国かを問わず、平等の真理でなければならない。無名戦士の墓を想起すれば、以上のことは自然に理解出来るはずである。もし、靖国神社を焼き払ったとすれば、其の行為は、米軍の歴史にとって不名誉きわまる汚点となって残ることであろう。歴史はそのような行為を理解しないにちがいない。はっきりいって、靖国神社を焼却する事は、米軍の占領政策と相容れない犯罪行為である。・・・(中略)・・・国家のため死んだものは、すべて靖国神社にその霊をまつられるようにすることを、進言するものである。」

マッカーサーはこの意見にに従い靖国神社焼却という暴挙を思いとどまった。
靖国神社などの焼き払いは免れたが、マッカーサーは神道指令を発布した。

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参考文献 歴史年表