ヴァイゼッカー演説

1985年5月8日、旧西ドイツのヴァイゼッカー首相は、敗戦40周年にボンの連邦議会での演説で以下のようなことを言った。
「ユダヤ人の集団虐殺は、歴史上、例がありません。この犯罪は少数の者たちの手によって行われました。世間の目からはさえぎられていたのです」
「戦時中、多くの国の人々がナチス体制に苦しめられ、しいたげられ、はずかしめられました。・・・苦しめられ、しいたげられ、はずかしめられた国民が、最後にもうひとつありました。私たちドイツ国民です」

これはトリックだった。親衛隊やゲシュタポなどを含むナチ党員は800万人もおり、実に国民の12%以上がナチ党員だった。そして、あの時代、多くのドイツ人がナチスに心酔していたのである。ドイツが国際連盟を脱退した1933年の国会選挙でナチ党の得票率は43.9%であった。

ドイツ人はホロコーストとなる十字架を背負ってしまった悲劇から逃れられないでいる。そこでこの悲劇から救われるために考え出されたのが、一般のドイツ人とナチスとを切り離すというトリックである。つまりホロコーストという罪を犯したのはヒトラーでありナチスであって、一般のドイツ人ではないというトリックである。

  ヤスパースの「責罪論」(1946年)
  「ドイツ見習え論」(1992年)


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参考文献 歴史年表