平成20年(2008)8月、阿倍首相はラダ・ビノード・パール判事とチャンドラ・ボースの遺族を訪問した。 阿倍氏はパール判事の長男プロシャント氏に「パール判事は多くの日本人から今も変わらぬ尊敬を集めいてる」と語りかけた。 これはいわゆるA級戦犯についての国会答弁で「国内法的には戦争犯罪人ではない」と明言した阿倍氏自身の歴史観を日本国民に伝えるとともに、A級戦犯の合祀を理由に首相の靖国参拝にいちゃもんをつける支那とは全く異なるインドの対応を際立たせることで、アジアには多様な歴史認識が存在することを浮き彫りにする狙いがあったと考えられる。 プロシャント氏は「父の公正な判断が人々の記憶にとどまっていてくれることを誇りに思う。戦争の片方の当事者のみを戦争犯罪で裁くことが可能だとは思わない」と語った。 ボースの姪に当たるクリシュナ・ボースさんは、「日本の人々がボースの活躍を覚えてくれるのなら私たちインド人も、ボースがイギリスの植民地支配に抵抗するためにインド国民軍を組織したことを支援したのが、日本だったことを思い出すべきだ」と語った。 |
参考文献 | 歴史年表 |