平成20年10月31日、田母神(たもがみ)俊雄・航空幕僚長が解任された。11月3日まで定年が延長され、同日、定年退職を強いられた。早い話、クビにされたわけだ。 首相の麻生太郎が決断し、防衛大臣の浜田靖一から解任された。 更迭の理由が笑える。 田母神氏が発表した「日本は侵略国家であったか」という表題の論文が、平成7年8月15日に発表されて麻生内閣も受け継いだという「村山談話」の歴史観と違うからだという。 田母神論文 さらに国会に参考人招致され、反省を迫られた。承知しながら田母神参考人の反論を封殺した。 また、田母神氏は内閣官房長官の川村健夫や浜田靖一から、退職金の「自主返納」を迫られた。与野党そろって合唱し、全マスコミが唱和した。 マスコミも政界も、シビリアンコントロールを曲解してこの更迭劇を論じている。 批判の先頭に立ったのは例によって「朝日新聞」と「毎日新聞」という非常に悪質な反日新聞だった。 朝日新聞は、「こんなゆがんだ考えの持ち主が、こともあろうに自衛隊組織のトップにいたとは。驚き、あきれ、そして心肝が寒くなるような事件である」とほざいた。田母神氏の主張を「一部の右派言論人が好んで使う、実証的データの乏しい歴史解釈や身勝手な主張がこれでもかと並ぶ」と非難。「歴代の防衛首脳は田母神氏の言動を放置し、トップまで上り詰めさせた。その人物が政府の基本方針を堂々と無視して振る舞い、それを誰もとめられない」のは「文民統制の危機」だとして、自衛隊幹部に対する教育の見直しの必要性を指摘している。くだらない。 朝日新聞は、田母神氏更迭を当然として上で、「村山談話」の要点を説明し、「田母神氏の論文は、この政府見解を真っ向から否定する」として批判した。また、田母神氏は、「憲法が禁止している集団的自衛権の行使や、武器使用の制約などを『東京裁判のマインドコントロール』と批判している」、「同氏を空幕長に据え、今回の事態を招いた政府の判断に文民統制(シビリアン・コントロール)の機能不全を感じ」るとし、「今回のような事態」を避けるには、文民統制の強化が必須」と結論づけた。馬鹿らしくて話にならない。 世界の歴史を見れば、「シビリアン・コントロール」なるものを守っていても、無謀な戦争や信じがたい悲劇が回避できるわけではないことがすぐわかる。ヒトラーも、スターリンも、フランクリン・ルーズベルト、チャーチルも戦争を引き起こしているが、いずれも文民統制の国だった。 他にもくだらないことをほざいた「アホ、バカ文化人・言論人」は多数いる。 五百籏頭真(防衛大学校長)、大谷昭宏(コメンテーター)、小宮悦子(アナウンサー)、御厨貴(東京大学教授)、加藤紘一(政治家)、渡部恒三(政治家)、渡部淳一(作家)、秦郁彦(近代史家)、田岡俊次(軍事ジャーナリスト)、若宮啓文(コラムニスト) 暴言の内容は「WiLL 増刊 田母神俊雄全一巻」で評論家の潮匡人氏が書いている。 田母神論文問題ですぐに思い出すのが、昭和53年の来栖統幕議長の更迭である。 来栖統幕議長更迭(1978年) 石破茂の売国奴発言 |
参考文献 | 歴史年表 |