国際法では、国家は基本的権利のひとつとして、戦争権を持っている。戦争権は、開戦権と交戦権を含む。 開戦権を行使した場合に、つまり、一方的に相手の国に宣戦布告して「戦争状態」という法的状態をつくった場合に、国家は交戦国という地位に基づいて交戦権を持つ。 交戦権によって平時には禁止されている諸行為が許容される。敵国の軍隊を攻撃してよい、敵国の領土に侵入して占領してもよい、自国内にある敵国民の財産を管理することができる、敵国の居留民や外支施設の行動に制限を加えることができる、敵国との間の条約を停止ないし廃棄できる、敵国との間にある海底電線を遮断できる、敵国の港を海軍力によって封鎖するとか、いろいろな戦争上必要とされる軍事行動が、平時ならば国際不法行為だが、「戦争状態」という法的状態に入った場合には、交戦国という地位に基づく権利、つまり交戦権によって違法ではなくなる。 この「戦争状態」という法的状態は、原則として講和条約(平和条約)が締結され発効して、初めて終了して平和状態に入る。 日本と連合国の間で戦争が法的な意味で本当に終わったのは、昭和27年4月28日のサンフランシスコ対日平和条約発効の時点である。 サンフランシスコ講和条約発効 それ以前は法的な戦争状態が続いていたのであり、それ以前は法的な戦争状態が続いていたのであり、占領軍は戦争行為、軍事行動として占領政策を遂行していたのである。軍事行動として東京裁判をやったのである。 戦争状態を終わらせるには、ふつうは講和条約、平和条約の発効によるが、1956年の日ソ共同宣言のように、共同宣言という形式を通じて、正式の平和条約は後で正式に締結することにして、とりあえず戦争状態をなくして平和状態に戻ろうという合意があればそれでも可能である(これは例外ではあるが)。 日本国憲法第九条二項に規定されている交戦権というのは単純な「戦争をする権利」ではない。戦争をする権利は、九条一項の「国権の発動としての戦争」、英文ではWar as a sovereign right of the nationすなわち、国家の主権的権利としての戦争、これが国際法における国家の基本権としての戦争権を意味している。 |
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