ドイツの戦後補償

戦後補償には、国家が国家に対して行なう国家賠償と、国家が個人に対して行なう個人補償とがある。
ドイツは国家賠償をしていない(国家が分断されたため平和条約が締結できない)。ドイツが行なったのはユダヤ人に対する個人補償だけで、ユダヤ人以外に個人補償はしていない。なぜユダヤ人に個人補償をしたかといえばホロコーストというとんでもない悪行をやったからである。ナチスのホロコーストは第二次世界大戦中に実行されたとはいえ戦争とは関係のない行為だから、戦後補償というわけではない。つまりドイツは戦後補償などはしていないというわけだ。
東西ドイツが統一を果たした後、1995年にフランス・ギリシャ・オランダ・セルビア、それに東欧の5ヶ国から国家賠償請求の声が上がった。

ホロコーストはドイツ国民から支持されたナチスの極悪行為である。ドイツ人はこの責任から救われるために一般のドイツ人とナチスとを切り離すというトリックを用いた。ホロコーストを行なったのはヒトラーやナチスであり、一般のドイツ人ではないという苦しいトリックである。この趣旨の演説が、敗戦40周年の1985年に旧西ドイツのヴァイゼッカー首相によって行なわれた。当時のナチ党員は国民の12%以上もいたし、あの時代は多くのドイツ人がナチスに心酔し、1933年の国会選挙でのナチ党の得票率は43.9%だったのだから非常に苦しい言い訳だった。
2005年になってシュレーダー首相は、ホロコーストに対するドイツ人全体の責任を強調する演説を行なった。

アメリカによるホロコースト(広島、長崎原爆投下都市無差別空襲)はあったが、日本はこういった犯罪は犯していない。「南京大虐殺」なる虚構が生み出された理由はここにある。

日本とドイツの戦後補償の比較

「ドイツは個人補償まで行なっているのに日本はそれを実行していない」「ドイツは責任を果たしたが日本は果たしてない」などと言う輩が今でもいるが、それはとんでもない嘘である。
また、ドイツ人の中にはドイツの罪を相対的に軽くしようと、日本の「従軍」慰安婦問題などを利用し日本を道連れにしようとする輩がいる。
実態は以下の表の通りである。

日本 ドイツ
国家賠償 済ませている 行なっていない
個人補償 済ませている
(請求をした唯一の国であるオランダに行なっている)
行なっていない
(「ユダヤ人への個人補償」はホロコーストに対するもので戦後補償ではない)


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