戦前の日本では、少尉以上の階級総称を「将校」「士官」と呼んでいた。青年将校とは旧制中学の飛び切りの優等生で、二十代前半で少尉や中尉となった将校をいう。 世界大恐慌によって日本が大不況となると、青年将校たちに右翼社会主義思想が浸透した。彼らがこの思想に飛びついたのは、日本の不況、ことに農村部の窮迫が意識にあったからである。こういった青年将校たちは毎日のように農家出身の兵士たちと接していた。東北の農村などで一家を救うために娘が身売りしているというような話を聞いて日本の体制に義憤を感じた。彼らが怒りを向けたのは、資本主義と政党政治だった。そこで生まれた陸軍内のグループが皇道派と統制派だった。 皇道派と統制派 |
参考文献 | 歴史年表 |