2人以上の者の間に、違法な行為を行おうという合意が成立すること、らしい。また、これはアメリカやイギリスにしかない犯罪である。国際法にはない観念で、しかもドイツやフランスのようなヨーロッパ大陸の国々の法律にもない概念である(パール判事は、これはイギリスやアメリカにだけある概念だから、国際歩とするにそぐわないと指摘している)。 ニュルンベルグ裁判や東京裁判での「共同謀議」とは、世界征服を目指してあらゆる戦争準備をし、侵略戦争を行ったという意味である。 東京裁判における「A級戦犯」のA級たるゆえんは、満州事変このかた、大東亜戦争に至る前、日本が行ったいわゆる「侵略戦争」にたいして、被告が共同謀議に参画したか否かによって、逮捕状が出されていたから、共同謀議の線が崩れるならば、東京裁判は根底から成り立たない。もちろん、東京裁判自体が茶番劇であり、もともと成り立たないものだったが。 インドのパール判事は、詳細に訴追の矛盾を衝きつつ、史実にのっとって、検察側の偏見と妄想を指摘して、共同謀議の不成立を判定した。 東京裁判で検察側が「共同謀議」なるものを持ち込んだのは、ニュルンベルグ裁判の模倣である。長きにわたるヒトラー独裁政権の戦争計画をそのまま日本に当てはめ、ヒトラーの独裁政権と日本の11代にわたる内閣とを同一視したところに、そもそも根本的な誤りがある。 東京裁判 「A級戦犯」 東京裁判で日本を告発するとき、検事のキーナンはケロッグ・ブリアン条約の時点にさかのぼって「共同謀議」の罪を持ち出した。この共同謀議を根拠に裁くことができないと困るので、彼らは必死だった。しかし、この「共同謀議」だけで死刑になった人は、いわゆる「A級戦犯」にもいない。 |
参考文献 | 歴史年表 |